弁護士コラム

離婚したほうがいい夫婦の特徴は?見極める5つのチェックポイントと対処法

離婚したほうがいい夫婦の特徴は?見極める5つのチェックポイントと対処法
  • 公開日:2024年1月29日
  • 更新日:2024年01月29日

夫婦生活を続けるなかで、お互いへの不満が積み重なったり、今後への不安が膨らんでしまったりして、「もう離婚したほうがいいかもしれない…」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、離婚は人生を左右する大きな決断です。きちんと見極めなければ、離婚したあとで後悔することになりかねません。
また、離婚したほうがいい状況であるにもかかわらず、「離婚を決断できない」という場合もあるでしょう。

そこでこのコラムでは、実際に離婚している夫婦の特徴や、離婚したほうがいいか見極めるチェックポイント、離婚を迷ったときの対処法を解説します。
ご自身の状況と照らし合わせて、離婚したほうがいいかを改めて考えてみてください。

この記事を読んでわかること

  1. 離婚したほうがいい可能性がある夫婦の特徴
  2. 離婚したほうがいい夫婦か見極めるチェックポイント
  3. 離婚したほうがいいか迷ったときの対処法

離婚したほうがいい夫婦に特徴はある?

夫婦のかたちはそれぞれであるため、「こんな夫婦は離婚したほうがいい」と一概にはいえません。
しかし、世の中の夫婦がどのような原因で離婚しているかを知れば、離婚すべきか判断する材料の1つになるでしょう。

2021年の司法統計(令和3年 司法統計年報(家事編) 第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別)によると、以下のような理由で離婚している夫婦が多いといえます。

  • 性格が合わない
  • 配偶者から精神的虐待・暴力を受けている
  • 配偶者が浮気・不倫をした
  • 配偶者が浪費する・生活費を渡してくれない
  • 家族・親族と折り合いが悪い

なお、ほかの離婚原因について詳しくは「誰もが気になる離婚原因」も参考にしてみてください。

以下では、それぞれの離婚原因について詳しく解説します。

性格が合わない

男女ともに一番多い離婚理由は「性格が合わない」ことであり、男性では3割、女性では2割を占めています。
性格や価値観が合わないことですれ違いが起き、一緒に生活するのがストレスになった結果、離婚に至るケースが多いといえるでしょう。

ただし、社会的な体裁を気にして本当の理由を申告していない場合や、決定的な理由がない場合も性格が合わないことを理由にしているケースがあるため、性格が合わないだけで離婚しているとは限りません。

配偶者から精神的虐待・暴力を受けている

モラルハラスメント(モラハラ)やドメスティック・バイオレンス(DV)から逃れるために、離婚を選択する方も少なくありません。

配偶者によるモラハラやDVを我慢しながら夫婦生活を続けていると、心身に大きな傷を負います。そのような状況で、一緒に暮らしていくのは難しいでしょう。

なお、特にひどい虐待・暴力を受けている場合は、命にかかわることもあるため、まずは実家やシェルターなどに避難してから、今後の対応を考える必要があります。

配偶者が浮気・不倫をした

浮気・不倫は、信頼していた夫や妻の裏切り行為です。浮気された側は多大なショックを受け、絶対に許せないと思う方もいるでしょう。

浮気・不倫相手に慰謝料請求をすることで責任を追及したうえで、関係修復を図る夫婦もいます。
しかし、一度崩れた信頼関係を再構築するのは簡単ではありません。また、なかには配偶者が何度も浮気・不倫を繰り返すケースもあります。

そのような場合、関係修復は難しいと判断して離婚を選択する夫婦も多いようです。

配偶者が浪費する・生活費を渡してくれない

法律では、夫婦には、お互いに助け合う義務がある(民法第752条)と定められています。
過度な浪費や、必要なお金を渡さないことは、法律上定められている「夫婦が協力し助け合う義務」を果たさない行為です。

なかでも、ギャンブルなどの身勝手な理由で借金を抱えたり、お金の使い方を極端に制限したりすることは、「経済的DV」と呼ばれることもあり、家族の生活に大きな影響をおよぼします。
そのため、一緒に生活するのは難しいと判断して離婚に至るケースもあるようです。

家族・親族と折り合いが悪い

結婚生活のなかでは、お互いの家族とも関わらなければなりません。相手の家族・親族と相性が悪いと、不仲になってしまうこともあるでしょう。

相手の家族・親族と不仲であっても、配偶者が配慮してくれるのであれば夫婦生活にそれほど影響はないかもしれません。
しかし、配偶者が自身の家族・親族の言いなりになっている場合や、不仲を助長する場合などには、夫婦の信頼関係を築くことが難しく、離婚に至るケースもあるようです。

離婚したほうがいい夫婦か見極める5つのチェックポイント

実際に離婚すべきかどうかは、さまざまな要素を考慮して見極める必要があります。
以下の5つのポイントを参考に、離婚したほうがいい夫婦かどうかチェックしてみましょう。

<離婚したほうがいい夫婦か見極めるチェックポイント>

  1. 離婚したいという気持ちはどの程度か
  2. 自分の心身の状態はどうか
  3. 子どもへの影響はどうか
  4. 夫婦関係を修復するための話合いができる状況か
  5. 離婚後の生活の目途が立ちそうか

それぞれの項目について詳しく解説します。

①離婚したいという気持ちはどの程度か

離婚後に後悔しないためにも、あなた自身の気持ちを整理してみましょう。
まだ少しでも愛情があり夫婦関係を修復したいのか、もう愛情はなく一緒に生活するのがつらいのかによって、取るべき選択肢が変わります。

完全に気持ちが離れていてすぐにでも離婚したいという気持ちが強いなら、離婚を検討したほうがいいかもしれません。

②自分の心身の状態はどうか

配偶者の存在や言動が原因で心身に不調をきたしている場合、無理をして結婚生活を続けると心や身体が壊れてしまうおそれがあります。

常に気分が沈む、眠れない、食欲がないなどの具体的な症状や、DV・モラハラによる「常に配偶者におびえている」といった状況は、離婚すべきか見極めるポイントの1つとなるでしょう。

なお、DVなどがひどい場合には、安全のためにもまずは避難をしたうえで、できるだけ早く離婚を前提とした別居を検討することも必要です。

③子どもへの影響はどうか

配偶者が子どもを虐待している状況であれば、できるだけ早く別居や離婚を検討したほうがよいといえます。

また、子どもへの直接的な暴言・暴力などがなくても、激しい夫婦げんかが絶えない、夫婦が会話をしない、あなたが日常的にDV・モラハラを受けているという状況は、子どもにストレスや精神的苦痛を与えかねません。

「子どものために離婚すべきか迷っている」という場合には、このようなポイントにも着目して離婚すべきか判断するとよいでしょう。

④夫婦関係を修復するための話合いができる状況か

夫婦で話合いができるのであれば、まずは関係修復を図るのも選択肢の1つです。

しかし、話合いをしようとすると暴力を振るわれる、無視されるなど、配偶者とのコミュニケーションがまったくとれない場合は、夫婦関係を修復するのは難しいといえます。
そのため、離婚を検討したほうがいいかもしれません。

⑤離婚後の生活の目途が立ちそうか

仕事やお金、住まいの確保ができている場合や、実家に頼れる場合など、生活の目途が立っているのであれば、離婚を検討してもよいでしょう。

また、子どもがいる場合など、条件によっては国や自治体による公的支援を受けられる可能性もあります。経済的な支援制度や就業支援制度などさまざまなものがあり、利用できる制度があるかもしれません。

詳しくは、以下のページもご覧ください。

公的支援について詳しく見る

離婚したほうがいいか迷ったら取るべき行動

夫婦の離婚原因やチェックポイントを参考に考えてみても、「離婚したほうがいいか迷う」という方もいらっしゃるかもしれません。
離婚したほうがいいか迷う場合、以下のように具体的に行動してみることで、決断できる可能性があります。

離婚したい理由や原因をはっきりさせる

あなたが「離婚したほうがいいかも」と感じたことには、何か理由があるはずです。
配偶者の言動や態度、夫婦生活などを振り返って、「離婚したい」と思った理由を書き出してみましょう。

理由がはっきりすれば、「離婚する・しない」どちらの選択肢を取るべきか決断できるかもしれません。

また、離婚したい理由を書き出しておくことは、離婚の話合いを冷静に進める際にも役立ちます。

第三者に相談する

第三者に相談することで、自分の気持ちや夫婦の状況が整理でき、「離婚するか・しないか」を決断するきっかけになる可能性があります。

親や友人などに相談できるのであれば、話を聞いてもらい意見を聞いてみるとよいでしょう。
しかし、「親や友人には話しにくい」、「中立な意見・アドバイスがほしい」という場合もあるかもしれません。

その場合には、民間の資格を有した離婚カウンセラーや夫婦カウンセラーに相談するのも選択肢の1つです。
離婚カウンセラー・夫婦カウンセラーのカウンセリングでは、「離婚するべきか迷っている」という悩みだけでなく、さまざまな夫婦の問題について相談できます。

詳しくは、以下のコラムもご覧ください。

一時的に別居する

DVやモラハラを受けている場合や、一緒に生活することにストレスを感じ心身に不調が出ている場合には、一時的に別居することを検討してもよいかもしれません。

別居することで、離婚後の生活をイメージでき、「離婚する・しない」を決断するきっかけになる可能性があります。一度離れてみることで冷静になり、夫婦関係を修復するための話合いがスムーズに進むこともあるでしょう。
また、離婚を決断した場合は長期間別居することで、法律上、離婚が認められやすくなります。

一方で、やり直すことが難しくなるおそれや、余分な生活費がかかるといったデメリットもあるため注意しましょう。

離婚後を見据えて準備する

一人で生活できるか不安があり離婚すべきか迷っている場合には、離婚後を見据えて以下のような準備をしてみるとよいかもしれません。

  • 仕事を探す
  • 生活費を貯める
  • 住む場所を探す など

具体的に準備をすることで不安がなくなった結果、「離婚したい」と思うのであれば、実際に離婚に向けて動きましょう。

離婚の準備については下記のコラムで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

離婚を決断したら弁護士へ

離婚する意思が固まったら、自分一人で離婚を進めようとせず、弁護士に相談することをおすすめします。
夫婦だけで冷静に離婚の話合いができればよいですが、配偶者と円滑にコミュニケーションがとれない場合、スムーズに交渉が進まないためです。

弁護士であれば、あなたの代わりに配偶者と話し合い、離婚条件を取り決めることができます。
配偶者の浮気・不倫、暴力、婚姻生活の維持への不協力などがあれば、状況に応じ慰謝料請求なども一貫して対応可能です。

また、弁護士に依頼すれば、裁判が必要な場合にも対応を任せられます。そのため、精神的・時間的な負担を軽減し、安心して離婚を進めることができるでしょう。

まとめ

離婚したほうがいい夫婦であるか見極めるためには、夫婦生活を振り返り、自分の置かれている状況や気持ちを整理することが大切です。
離婚すべきか迷う場合には、家族や友人などの第三者に相談したり、一時的に配偶者と離れて暮らしたりするのも一つの手段といえます。

そのうえで、離婚後の幸せな生活をイメージできるのであれば、離婚に向けて具体的な準備を進めましょう。

離婚を決断したら、弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士であれば、スムーズに離婚するためのアドバイスをはじめ、配偶者との交渉や、書面作成なども一貫してサポートできます。そのため、あなたの精神的・時間的負担も軽減されるはずです。

アディーレ法律事務所では、離婚専属チームがご相談を承っております。法的な知識や実務のノウハウを生かし、あなたに有利な条件で離婚できるよう交渉しますので、まずは一度ご相談ください。

監修者情報

林 頼信

弁護士

林 頼信

はやし よりのぶ

資格
弁護士
所属
東京弁護士会
出身大学
慶應義塾大学法学部

どのようなことに関しても,最初の一歩を踏み出すには,すこし勇気が要ります。それが法律問題であれば,なおさらです。また,法律事務所や弁護士というと,何となく近寄りがたいと感じる方も少なくないと思います。私も,弁護士になる前はそうでした。しかし,法律事務所とかかわりをもつこと,弁護士に相談することに対して,身構える必要はまったくありません。緊張や遠慮もなさらないでくださいね。「こんなことを聞いたら恥ずかしいんじゃないか」などと心配することもありません。等身大のご自分のままで大丈夫です。私も気取らずに,皆さまの問題の解決に向けて,精一杯取り組みます。

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