浮気・不倫の慰謝料を請求する方法と流れを解説!スムーズな解決方法は?

「浮気・不倫の慰謝料を請求したい」と思ったら、まずはどのように請求すればよいか全体の流れを把握しておくことが大切です。
そこでこのページでは、慰謝料請求の方法とその流れを順番にわかりやすく解説します。
スムーズに慰謝料を請求するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
このページでわかること
- 浮気・不倫の慰謝料を請求する方法
- 浮気・不倫の慰謝料請求に必要な準備
- 浮気・不倫の慰謝料を請求する流れ
浮気・不倫の慰謝料を請求する方法
浮気・不倫の慰謝料を請求する方法には、大きく分けて「交渉」と「裁判」の2つの方法があります。
交渉は、当事者同士の話合いによって解決(示談)を目指す方法です。一方で裁判は、裁判所を介して解決を目指す法的手続のことをいいます。
それぞれの方法のメリット・デメリットは以下のとおりです。
方法 | メリット | デメリット |
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交渉 |
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裁判 |
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なお、交渉や裁判は自分で行うこともできますが、弁護士に依頼する方法もあります。
浮気・不倫の慰謝料請求に必要な準備
交渉・裁判のどちらの方法で慰謝料を請求する場合でも、事前に以下の準備が必要です。
慰謝料請求できる条件に当てはまるか確認する
そもそも慰謝料は、不法に権利の侵害を受けたことで負った精神的苦痛に対して支払われるお金であり、無条件に請求できるものではありません。
そのため、まずは慰謝料を請求できる以下の条件に当てはまっているか確認しましょう。
<慰謝料請求できる主な条件>
- 不貞行為によって「権利の侵害」を受けた
- 不倫相手に「故意または過失」があった
- 「時効」が成立していない
不倫相手の連絡先を特定する
慰謝料を請求する際には、不倫相手の氏名・住所(または勤務先)を特定する必要があります。
一般的に、不倫相手を特定する方法は以下の3つです。
- 自分で調べる
- 興信所や探偵事務所に調査してもらう
- 弁護士に調査してもらう
自分で不倫相手の情報を調べる場合、配偶者から聞き出すほか、SNSをチェックするなどの方法が考えられます。
ただし、やり方によってはあなたが罪に問われてしまうおそれもあるため注意が必要です。
自分で特定するのが難しければ、興信所や弁護士などに相談してみるとよいでしょう。
証拠を集める
慰謝料を請求しても、不倫相手が素直に不倫を認めて支払いに応じるとは限りません。また、裁判になった際には客観的に不倫の事実を証明する必要があります。
そのため、肉体関係があったとわかる証拠を集めておきましょう。たとえば、以下のようなものが証拠になり得ます。
- 性交渉に及んだことがわかるメッセージのやり取り
- ラブホテルや自宅への出入りをしている写真・動画
- 配偶者や不倫相手が不倫をはっきり認めた録音 など
このほか、クレジットカード利用明細やカーナビの検索履歴などを証拠として利用できる場合もあります。
浮気・不倫の慰謝料を請求する流れ
浮気・不倫の慰謝料請求は、大まかに以下の流れで行います。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①慰謝料の支払いを求める
まずは、口頭(電話など)または書面で不倫相手に「慰謝料を支払ってほしい」旨を伝え、話合いの場を設けます。
口頭で請求する場合、のちに「言った・言わない」の争いになるおそれもあるため注意が必要です。
あとで「慰謝料なんて請求されていない」などと反論されるのが心配であれば、書面で請求することも検討するとよいでしょう。
なお、書面を送る際は「内容証明郵便」を利用すれば慰謝料請求したことを証明することが可能です。費用はかかってしまいますが、「書面は届いたけど慰謝料なんて請求されていない」と反論されることを阻止できます。
②金額や支払方法の交渉をする
相手が話合いに応じた場合には、具体的な慰謝料の金額や支払方法、支払期日などについて交渉します。
請求する慰謝料の金額は自由に決められますが、1,000万円などとあまりに高すぎる金額を提示すると、話合いが進まなくなるおそれもあるため注意が必要です。
浮気・不倫の慰謝料の裁判上の相場を参考に、現実的な金額を検討したほうがよいでしょう。
別居や離婚をする場合 | およそ100万円~300万円 |
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別居や離婚をしない場合 | およそ数十万円~100万円 |
③【合意できた場合】示談書を作成する
話合いがまとまった場合には、合意内容を詳細に記載した「示談書」を作成します。
示談書がなくても、口頭で合意できれば慰謝料を支払ってもらうことは可能です。しかし、あとになって認識の違いによるトラブルが起こるかもしれません。
そこで示談書を作成しておけば、合意内容を証明する証拠になります。
なお示談書は、公正証書として作成しておくことも可能です。公正証書とは、公証役場で法律に従って作成する公文書のことをいいます。
執行受諾文言付の公正証書を作成しておけば、特に慰謝料を分割払いとしたときに約束どおり慰謝料が支払われない場合も、スムーズに差押えの手続をとれるため安心です。
④【合意できなかった場合】裁判を提起する
不倫相手が話合いに応じない場合や、話合いがまとまらない場合には、裁判を提起することになります。
裁判は、双方が主張と反論を繰り返し、裁判所に客観的な判断をしてもらう法的手続です。
裁判手続のなかでは、裁判所から和解を打診されるケースが多く、裁判官から示される和解案に双方が納得すれば、「和解」という形で終了します。
最後まで和解に至らなかった場合には、慰謝料の金額などを裁判所が判断し「判決」が下されることになります。
裁判による浮気・不倫の慰謝料請求について詳しくは、以下のコラムも参考にしてみてください。
⑤慰謝料の支払いを受ける
慰謝料の金額や支払方法などが決まったら、約束した期限までに慰謝料を支払ってもらうことになります。
なお、支払いは銀行振込などで行われることが一般的です。
銀行振込の場合、振込控え(振込票・ご利用明細など)が領収書の代わりになります。
ただし、不倫相手から領収書の作成を求められた場合には、無用なトラブルを防ぐためにもきちんと対応しましょう。
弁護士に依頼して浮気・不倫の慰謝料を請求する流れ
自分で交渉しようとしても、スムーズに話合いが進むとは限りません。また、裁判手続には法的知識も必要です。
なかには、相手方が弁護士を立ててくることもあるでしょう。そうなれば、あなたにとって不利な結果になってしまうこともあり得ます。
そのため、浮気・不倫の慰謝料請求は弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士に依頼した場合、以下のような流れで手続が進みます。
それぞれ詳しく解説します。
①相談・依頼する
まずは弁護士にご自身の状況を伝え、そもそも慰謝料を請求できるかどうかや、請求できる金額などの見通しを立ててもらいましょう。
弁護士であれば、手元にある証拠が十分かどうかを判断することも可能です。
証拠が不十分な場合には、具体的に必要な証拠の集め方についてアドバイスをもらえます。
相談の結果、弁護士に依頼する場合には正式に契約をします。
なお、法律事務所によっては初回相談が無料の場合もあるため、気軽に相談してみるとよいでしょう。
アディーレ法律事務所でも、浮気・不倫の慰謝料請求に関するご相談は何度でも無料で承っています。
②打ち合わせをする
契約を結んだら、事実関係や証拠を精査したうえで、実際にどのように慰謝料を請求していくか打ち合わせを行います。
慰謝料の金額や支払方法以外にも希望がある場合は、打ち合わせの際にすり合わせておくとよいでしょう。
たとえば、「二度と連絡を取り合わないでほしい」、「不倫の事実を第三者に言わないでほしい」などといった内容であれば、不倫相手に約束させられる可能性もあります。
③弁護士が交渉・裁判の対応をする
方針が決まったら、弁護士が相手方に連絡し、慰謝料を支払うよう交渉します。
交渉で解決しない場合、あらためて今後の方針を打ち合わせ、状況に応じて訴訟を提起することになるでしょう。
なお、相手方とのやり取りや、交渉・裁判の対応、書面の作成などはすべて弁護士が行います。
そのため、時間的・精神的な負担を軽減しつつ、よりスムーズな解決も期待できるはずです。
浮気・不倫の慰謝料を請求するときの注意点
浮気・不倫の慰謝料を請求する際には、以下の点に注意しましょう。
違法な言動や不当な要求をしない
浮気・不倫の慰謝料を請求する際は、不倫相手に対して以下のような不適切な言動・要求をしてはいけません。
- 不倫相手の自宅や職場へ怒鳴り込む
- 不倫相手に退職を強要する
- 不倫の事実を言いふらす など
話合いのときだけでなく、不倫相手を特定するときや、証拠を集めるときにも、不適切な方法で行わないよう注意が必要です。
やり方によっては、あなたが法的責任を問われてしまうおそれもあります。
慰謝料を請求できる権利には時効がある
浮気・不倫の慰謝料を請求できる権利は、一定期間を経過すると消滅します(時効の完成)。
時効が完成すると慰謝料を支払ってもらうことが難しくなるため、注意が必要です。
浮気・不倫の慰謝料請求の時効は、以下のいずれか短いほうで完成します。
- 配偶者の不貞行為および不倫相手を知ったときから3年間
- 不貞行為があったときから20年間(※)
※令和2年3月31日までに20年が経過している場合は、改正前の民法が適用され、除斥期間の経過により慰謝料は請求できません。
原則として慰謝料の追加請求はできない
原則として、慰謝料を支払ってもらったあと「やっぱり金額に納得できない」などといって、同じ相手に追加で慰謝料を請求することはできません。
そのため、相手に言いくるめられて明らかに低すぎる金額で合意してしまうことがないように注意しましょう。
ただし、たとえば以下のようなケースでは、追加で慰謝料を請求できる可能性はあります。
- 配偶者が同じ相手と浮気・不倫を続けていたケース
- 配偶者が新しい相手と浮気・不倫をしたケース
実際に追加請求ができるかどうかは具体的な事情によって異なるため、弁護士に相談することをおすすめします。
スムーズに慰謝料を請求するなら弁護士にご相談を
浮気・不倫の慰謝料を請求する際には、不倫相手の特定や証拠集めなど、入念な準備をしたうえで、交渉・裁判手続などを適切に行わなければなりません。
「自分でできるところまでやって、困ったら弁護士に依頼しよう」と思うかもしれませんが、やり方を間違えてしまうとあとからリカバリーするのが難しくなるケースもあるため、注意が必要です。
ご自身で対応することに少しでも不安があれば、お早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士に依頼すれば、交渉や裁判の対応を任せられるため、よりスムーズな解決を目指せるでしょう。
アディーレ法律事務所なら、浮気・不倫の慰謝料を請求に関するご相談は何度でも無料です。ぜひお気軽にご相談ください。
監修者情報

- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。