ダブル不倫(W不倫)でも慰謝料請求できる?相場や請求方法、注意点を解説

既婚者同士が不倫をしている「ダブル不倫」の場合、あなたが配偶者の不倫相手に慰謝料を請求できる一方で、不倫相手の配偶者もあなたの配偶者に対して慰謝料を請求できます。
そのため、配偶者が独身の相手と不倫していた場合よりも、さらに慎重な判断や適切な対応が必要です。
そこでこのコラムでは、ダブル不倫における慰謝料の相場や請求のパターン、慰謝料請求で不利になるケースを解説します。
慰謝料請求で失敗しないためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
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ダブル不倫とは?慰謝料請求はできる?
「ダブル不倫とは、一般的に既婚者同士が不倫をしている状態のことをいいます。
アディーレ法律事務所が独自に集計した不貞・浮気に関するお問い合わせ時のヒアリング内容(2025年6月〜2026年6月、対象母数5,919件)によれば、不倫相手も既婚者であると回答したのが32.7%でした(不倫相手が既婚かどうか不明とした回答は除く)。この結果からも不倫相手が既婚者という状況は珍しくないということがわかります。


不貞行為が認められた場合、不倫をされた方(被害者)は、不倫相手と不倫をした配偶者(加害者)に慰謝料を請求できます。これは、ダブル不倫の場合も同じです。
ただし、ダブル不倫は独身者との不倫と違い、夫婦それぞれに不倫の被害者と加害者がいることになります。そのため、慰謝料請求が複雑になりやすいといえるでしょう。
たとえば、不倫相手の配偶者が不倫の事実を知っているかどうかや、双方の夫婦が離婚するかどうかなどによって、適切な解決方法を判断しなければなりません。
また、加害者それぞれの責任の度合いが慰謝料の金額に影響することもあります。
ダブル不倫の慰謝料の相場
ダブル不倫の慰謝料について裁判になった場合の相場は、以下のとおりです。
| 離婚しない場合 | およそ数十万円~100万円 |
|---|---|
| 離婚する場合 | およそ100万円~300万円 |
この相場は、不倫相手が独身者であるケースと同じです。ダブル不倫であることを理由に慰謝料が高額になることはありません。
ダブル不倫の慰謝料が増額・減額に傾く事情
不倫の慰謝料の金額は、不倫を原因とした離婚の有無だけでなく、さまざまな事情が考慮されて決まります。
たとえば、以下のような事情です。
| 項目 | 増額に傾く事情 | 減額に傾く事情 |
|---|---|---|
| 婚姻期間 | 長い | 短い |
| 夫婦間の子ども | あり | なし |
| 不貞行為の回数 | 多い | 少ない |
| 不貞行為の期間 | 長い | 短い |
| 不貞行為以前の夫婦関係 | 円満 | 破綻 |
| 不貞行為の主導者 | 不倫相手 | 配偶者 |
ダブル不倫によって受ける精神的苦痛が大きいほど、慰謝料の金額も増額に傾くことになります。
ダブル不倫の慰謝料の請求方法3パターン
ダブル不倫の慰謝料を請求する場合、状況に応じて以下のいずれかのパターンによる解決を目指すことが多いといえます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①配偶者と不倫相手の一方または両方に慰謝料を請求する
あなたが配偶者と離婚する場合、不倫相手と不倫をした配偶者のどちらか一方、または不倫相手と配偶者の両方に慰謝料を請求することが考えられます。どのように請求するかは、ご自身のお気持ちを踏まえて自由に決めるとよいでしょう。
ただし、両者に慰謝料を請求する場合、妥当な金額の範囲を超えて慰謝料を二重取りすることはできないため注意が必要です。
たとえば、妥当な慰謝料の金額が200万円の場合に、配偶者と不倫相手それぞれに200万円を請求し、合計400万円を支払ってもらうことはできません。
②不倫相手にのみ慰謝料を請求する
あなたが配偶者と離婚しない場合は、基本的に不倫相手に対して慰謝料を請求することになるでしょう。
ただしダブル不倫の場合、配偶者の不倫相手に慰謝料請求をしたことをきっかけに、不倫相手の配偶者が不倫の事実を知り、反対請求をされるおそれもあるため注意が必要です。

このとき、あなたは不倫があった前提で慰謝料を請求しているため、「私の夫(妻)は不倫をしていない」と主張して反対請求を拒否することはできません。
たとえば、あなたが支払ってもらう慰謝料よりも不倫相手の配偶者に支払う慰謝料のほうが高額となる場合、家計に入るお金より出ていくお金が多くなります。
つまり、夫婦の家計全体で見ると損をしてしまう可能性もあるのです。
③四者間で和解(ゼロ和解)を目指す
どちらの夫婦も離婚しない場合には、四者間和解(ゼロ和解)を目指すのも選択肢の一つです。
あなたの配偶者と不倫相手双方の積極性や、お互いの家庭への影響など、責任の度合いが同じであれば、「お互いに慰謝料は0円」として和解できる可能性があります。
なお、慰謝料を0円とする場合でも、「不倫関係を解消し今後一切会わない」などと約束事を取り決めることは可能です。
複雑なダブル不倫の慰謝料問題をできるだけ早期に解決したい場合には、四者間で和解することも検討するとよいでしょう。
双方の配偶者から慰謝料請求があったものの、四者ゼロ和解として双方0円で解決した事例
どちらの夫婦も離婚しない場合に、四者ゼロ和解をして双方慰謝料0円で解決した事例を紹介します。
双方の配偶者からの慰謝料請求。弁護士が裁判の対応をし4者間和解として双方0円で解決!

(30代・女性)
請求された慰謝料
相談時
360万円
弁護士の交渉後
0円
360万円の減額に成功!
既婚者であるMさんは、同僚の男性と不倫関係に発展。その後、夫にW不倫を知られてしまいました。Mさんの夫は不倫相手の男性に対し慰謝料を請求しましたが、交渉での和解には至らず、夫は訴訟を提起。すると今度は、Mさんが不倫相手の妻から「慰謝料360万円を支払え」との内容で訴訟を提起されてしまいました。Mさんは、裁判の対応に困り、当事務所にご相談くださいました。
この事例を詳しく見る
詳しくお話を伺うと、Mさん夫婦も、相手方夫婦も離婚は考えておらず、双方の夫婦は協力関係にあるとのこと。弁護士は、それも踏まえて対応していくこととなりました。
ご依頼後、弁護士は裁判において粛々と事実関係を主張。その結果、Mさんと不倫相手双方の積極性や、お互いの家庭への影響など、責任の度合いは同等であるとして、双方とも慰謝料は支払わない「4者間和解(ゼロ和解)」で合意に至りました。
今回のようにW不倫かつ双方の夫婦が離婚しない場合には、4者間でまとめて和解をし、双方0円で解決するケースもあります。ただし、W不倫だからといって必ずしも4者間和解になるわけではありません。また、4者間和解をするためには、きちんと事実関係を整理し、主張する必要があります。
弁護士であれば、事実に基づき適切な解決方法を判断できるため安心です。W不倫で当事者双方への慰謝料請求が発生し、対応にお困りであれば、まずは弁護士にご相談ください。
※事例の内容はご相談当時の状況や条件等により異なります。
ダブル不倫の慰謝料請求で不利になるケース
このように、ダブル不倫の場合は不倫相手の配偶者もあなたの配偶者に対して慰謝料を請求できるため、状況に応じて慎重に判断する必要があります。
たとえば、以下のようなケースでは慰謝料の請求をしても、夫婦を経済的に一体の関係とみた場合、経済上のデメリットが上回る場合もあるため注意しましょう。
- 相手夫婦だけが離婚し、自分たちは離婚しない
- 相手夫婦よりも自分たちの婚姻期間のほうが短い
- 相手夫婦には子どもがいるが、自分たちには子どもがいない
- 自分の配偶者が不倫を主導した事実がある
- 自分と配偶者の間で、不倫以外のことを理由にすでに離婚する話が出ていた など
このような事情がある場合、あなたが請求した慰謝料よりもあなたの配偶者が支払う慰謝料の金額のほうが高くなってしまう可能性があります。
不倫に関するよくある質問(Q&A)
浮気・不倫の慰謝料は、どのように請求すればよいですか?
まずは書面に、浮気・不倫の根拠を記載した上で請求するのが一般的です。時効が迫っている場合は、請求した事実を証明できるよう、内容証明郵便で書面を送ります。また、書面ではなく電話で交渉するケースも多くあります。
不倫相手の配偶者から請求された慰謝料の金額が高すぎて支払えません。どうすればよいですか?
まず、不倫相手の夫婦関係や婚姻期間、浮気・不倫の期間、回数などの事情をふまえ、請求されている慰謝料の金額が妥当なのか判断する必要があります。不貞行為の際、相手の夫婦関係がすでに完全に破綻していた場合には、そもそも慰謝料を支払う必要はありません。また、相場からかけ離れたあまりにも高すぎる慰謝料を請求された場合、慰謝料を減額できる可能性があります。
ダブル不倫の慰謝料を請求するなら弁護士へご相談を
このように、ダブル不倫は状況によって複雑な判断や対応が必要になります。
そのため、ご自身だけで解決しようとせず、弁護士に相談・依頼するのがおすすめです。
弁護士に相談すれば、具体的なご事情をもとによりよい解決方法の提案や、相手方の状況も踏まえた臨機応変な対応をしてもらえます。
相手方とのやり取りも任せられるため、時間的・精神的な負担も大きく軽減できるでしょう。
まとめ
ダブル不倫をされた場合、不倫をした配偶者や不倫相手に慰謝料請求することが可能です。
しかし、不倫相手の配偶者から反対請求されるリスクもあるため、慎重な判断が求められます。
それぞれの夫婦が離婚するかどうかや、責任の度合いによっても解決方法はさまざまです。
状況によっては、「お互いに慰謝料は0円」として四者間和解(ゼロ和解)を目指すのも選択肢の一つとなるでしょう。
どのような解決方法が適しているか判断できずお悩みの方は、お一人で抱え込まず、弁護士に相談することをおすすめします。
アディーレ法律事務所なら、不倫の慰謝料請求に関するご相談は何度でも無料です。まずはお気軽にご相談ください。
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監修者情報

- 資格
- 弁護士
- 所属
- 第一東京弁護士会
- 出身大学
- 法政大学法学部、学習院大学法科大学院
私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。

