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不倫相手への「別れるなら、もう責めない」。そのリスクと正しい示談の仕方

自分の夫や妻の浮気・不倫が発覚したとき、「別れさせないと!」と思い、浮気・不倫の相手に「別れてください。別れるなら、責めません。」というメッセージをその場の勢いで、つい送ってしまう方もいらっしゃいます…。しかし、これは正しい対処法でしょうか。

また、「どうやって対応すればいいのだろう?」、「全部自分でやらなければいけないの?」などというように、自分がどう対応すべきなのか悩まれている方もいらっしゃるでしょう。 この記事では、そんな皆さまのお悩みや疑問に弁護士がお答えします。

この記事を読んでわかること

  1. 「別れるなら、もう責めません」というメッセージのリスク
  2. 示談書の法律上の効果
  3. 示談書の書き方

浮気・不倫相手に「別れるなら、もう責めません」って伝えても大丈夫?

ご自身の夫・妻が浮気・不倫をしていると知ったとき、冷静に対応することは難しいですよね。「早くこのストレスから逃れたい…。」、「一刻も早く普通の夫婦の関係に戻りたい…。」そういった気持ちから、「別れるなら、もう責めません」というようなメッセージを送ってしまう方も多くらっしゃいます。
そのお気持ちはわかりますが、ちょっと待ってください。この一言を送ったことで、後々取返しのつかないことになってしまう可能性があります。

法律上のデメリットやリスクとは?

なぜなら、「もう責めません」というメッセージを送ったときに、送った方ご自身ではそのように思っていなかったとしても、法律上の評価として、"相手方を許した"と見られてしまうことがあるのです。

そして、その結果、法律上、“慰謝料を請求することをご自身で放棄した”、または、“浮気・不倫の相手が慰謝料を支払う義務を免除した“、というように扱われ、慰謝料を取れなくなってしまう恐れがあります。

今後のご夫婦の関係にとってのデメリットやリスクとは?

また、このようなメッセージを送ったとして、本当に、不倫相手はご自身の配偶者と別れてくれるのでしょうか。  私の弁護士としての経験からすると、結局のところ別れていないということが実は多いのです。  はじめから『浮気・不倫は、やってはいけない』と分かっていながら関係を続けていたわけですから、たとえ浮気・不倫相手の配偶者から責められたとしても、すぐにやめられない人が多いというのは、ある意味で、当然かもしれませんね。

ただ、浮気・不倫をされた側からすると、 「あのとき、メッセージで『もう別れる』って約束させたのに、結局、別れていなくて関係が続いていたんです…!」と、より大きい精神的なショックを感じてしまいます。  そして、たとえ浮気・不倫があったとしても、配偶者の方との結婚関係を続けて行こうと決めていたのであれば、そのショックは余計に大きいと思います。

夫・妻の浮気・不倫が発覚した場合の正しい対処法とは?

では、自分の夫・妻の浮気・不倫が発覚したとき、どう対処したら正解なのでしょうか。
ポイントは、2つです。

  • 別れていないと分かったときには、お金を支払ってもらうと約束させる
  • 約束の内容をちゃんと形に残す

このような約束を、一般では、「示談」といいます。そして、「示談」の内容を紙に残したものが「示談書」です。つまり、配偶者の浮気・不倫が発覚した場合には、この示談書を作るのがポイントとなります。

浮気・不倫の示談書とは?

示談書ってどんなもの?

先ほども出てきた示談とは、裁判によらずに当事者間の話し合いで紛争を解決することをいいます。そして、当事者間の話し合いの内容(合意の内容)を明確にするために作成するのが、示談書です。

たとえば、佐藤A子が佐藤B夫と結婚している状況で、田村C子が、既婚者であると知りながら佐藤B夫と浮気してしまった場合には、以下のような示談をすることになります。

示談書を作るメリット

①不倫の再発防止につながる

示談書を作っておくと、不倫の再発防止につながります。というのは、不倫相手としては、「不倫関係をやめてください」と言われた場合、その場をやり過ごすために、口では、「やめます」と答えるのではないでしょうか。内心では、どう思っているかに関係なく、とりあえず、「やめます」と答えるのが通常です。だからこそ、不倫関係が実は継続していたということがあるわけです。

このようなトラブルを避けるためには、示談書が重要になります。やはり目の前に文字にされた書面を作るとなると、人間として不誠実なことは言えないと感じるものですよね。書面にすることで、「これが重要なことなんだ」と感じさせる効果があります。

LINEやメール等でも形には残りますが、やはり紙に書かせるほうが心構えは違ってくると思います。また、示談書に「もう配偶者と会わない。会ったら●●万円払う」などの条件を入れておくことで、相手も真剣に対応することを考えるようになるはずです。

②法律上の請求の根拠になることがある

示談をしたけれども、不倫の相手が慰謝料を支払ってこないような場合、裁判を起こして、支払わせることができます。裁判の場においては、証拠が必要となりますが、示談が単に口約束で済ませてしまっているような場合、「約束をした」、「約束をしていない」ということが言い争いになり、結局、証拠がないままだと負けてしまいます。

ここで注意が必要なのは、よくある相手方の言い訳として「会わないと約束はしたけれども、会ったことはない」というものがあります。そのため、実際に会ったことの証拠も確保する必要があります。

③配偶者と離婚する際に、有利に交渉を進めることができる

配偶者の方が浮気・不倫をしていたことを知って、すぐに「離婚」と決断する方は多くはないでしょうが、ちゃんと考えた結果、ご自身の中で、「離婚しよう」と決めることはあると思います。そのような場合、不倫・浮気相手との間で示談書を作成しておくと、不倫をしていた証拠が残ります。

一般的に、離婚することとなった場合、配偶者の方の浮気・不倫が理由で離婚したのであれば、その原因をつくった配偶者の方は慰謝料を払う必要がありますが、離婚するときになって、「昔のことだから覚えていない」というように、はぐらかされる可能性があります。万が一、離婚となった場合に備えて、不倫・浮気の証拠を作っておくことをおすすめします。

示談書って誰がどうやって作るの?

示談書がどういうものかについてご説明しました。では、この示談書は誰がどうやって作るものなのでしょうか。こういった疑問を持つ方は多くいらっしゃいます。ここでは、この点について解説します。

示談書って自分で作ってもいいの?

示談書は、弁護士などの法律の専門家に作ってもらうイメージを持たれている方が多いのですが、実は自分で作ってもよいものなのです。ただし、何を書くかには、注意が必要です。

示談書に書くべきこと2つ

【書くべきこと1】慰謝料や違約金の支払いについて

不倫相手に慰謝料を支払ってもらいたいのであれば、金額や支払い期限などをきちんと書きましょう。なお、「肉体関係を持ったことの慰謝料として、●●円を支払う」という約束だけでなく、「今後、不倫関係を続けていたら、違約金●●円を支払う」という条件についても忘れずに書きましょう。

【書くべきこと2】約束違反の内容について

「不倫関係の清算」がどのような状態であるのかをきちんと明記し、それに違反した場合には、違約金を支払ってもらうことを記載しましょう。

たとえば、「今後、不倫関係を続けていたら」とか、「今後も、佐藤B夫と会っていたら」というような書き方をした場合、直接会うことの証明ができないといった問題があります。

「佐藤B夫と連絡を取っていると判明したら、●●円を支払う」というように、関係が続いていることを思わせる行為については、示談書に違反条件として明確に書いておくとよいでしょう。

示談書作成の際の注意点とは?

示談するという約束が成立すると、当事者は、その約束の内容に従わなければなりません。

このため、示談をした後に、「やっぱり、その慰謝料の金額では嫌だ」ということは、原則としてできません。ですから、示談をする際には、納得できるまで交渉を行い、安易に約束をしないことが重要です。

示談書作成を弁護士に依頼ことをおすすめする理由2つ

弁護士への依頼をおすすめする理由1

お辛い気持ちをおさえながら話し合いを進めていった結果、不倫・浮気の相手と慰謝料の支払いを約束させたときは、その内容を示談書に書いておく必要があります。

ただし、一般の方が作成する場合、必要事項が抜けているなどの不備があり、苦労して作った示談書が法律的に無効なものと判断されてしまうことがあります。「これでしっかり払わせることができる!」と期待していたのに、弁護士に相談したら、「これは、法律的に無効である可能性があります」ということもありえます。

このような事態にならないように、初めから法律の専門家である弁護士に頼むのがおすすめです。

弁護士への依頼をおすすめする理由2

また、不倫・浮気相手としても、弁護士から連絡が来たほうが真剣に対応しなければならないと感じますし、下手に言い訳しないほうがよいと考えて示談に応じやすいということはあります。

それに、相手から言い訳をされた場合にも、法律上の反論ができるなどのメリットがあります。ご自身で対応して、うまくいくこともありますが、確実性をより高めるためには、弁護士に依頼をしておくほうがよいでしょう。

【まとめ】浮気・不倫の慰謝料請求なら無料相談ができるアディーレの弁護士におまかせください

自分の夫・妻が浮気・不倫をしていたとわかったとき、「不倫・浮気相手との関係を断ち切らせたい」、「もう連絡を取らないでいてくれれば、それでよい」というご希望を持つのは、人として普通のことです。

その普通の気持ちを法律上の形にしたものが示談書です。ただ、この示談書の作成をきっちりとしなかったことで、ご希望どおりの結果にならなかったという話をよくお聞きします。

アディーレ法律事務所は、不貞慰謝料請求の案件を年間何百件も取り扱っております。また、浮気・不倫の慰謝料請求に精通したチームを備えており、示談交渉から示談書の作成まで、多くのノウハウの蓄積がございます。

浮気・不倫の慰謝料請求について、示談交渉や示談書の作成を検討している方は、ぜひ一度、アディーレ法律事務所にご相談ください。

監修者情報

弁護士

池田 貴之

いけだ たかゆき

【Xアカウント】
@ikeda_adire_law

資格
弁護士
所属
第一東京弁護士会
出身大学
法政大学法学部、学習院大学法科大学院

私が弁護士を志したきっかけは、日常生活の中で時々、法的な問題に直面することがあったことです。法律というものは難解なものであると思われている側面が強いと思います。私も勉強するまでは、ちょっと近づきがたいものだと思っていました。しかし、弁護士となったからには、依頼者の方が何に悩んでいて何を求めているのかをしっかりと共有し、少しでも分かりやすく法的な問題点をご説明し、今後どのように問題解決に向けていくことが出来るのかを一緒に考えていきたいと思っております。

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※2024年12月時点。