弁護士コラム

未払いの養育費は放置せず請求を!請求方法と再発防止の方法を弁護士が解説

未払いの養育費は放置せず請求を!請求方法と再発防止の方法を弁護士が解説
  • 公開日:2023年06月12日
  • 更新日:2024年02月29日

離婚するとき養育費についてきちんと取り決めたのに、約束どおりに支払われない…

そのような状況で、「相手方と関わりたくないから請求をためらっている」、「どうやって支払ってもらえばいいかわからない」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
なかには今までに何度も養育費が未払いとなったことがあり、「未払いが再発しないようにしたい」という方もいらっしゃるかもしれません。

そこでこのコラムでは、養育費を請求する方法や未払いの再発を防ぐ方法、養育費の未払いを放置するデメリットを解説します。
あなた自身だけでなくお子さまのためにも、養育費をきちんと支払ってもらうにはどうすればよいか、理解を深めていきましょう。

この記事を読んでわかること

  1. 養育費を未払いのまま放置するデメリット
  2. 未払いの養育費を請求する方法
  3. 再び養育費の未払いが起こらないためにすべきこと

未払いの養育費を請求するべき理由と、放置するデメリット

養育費は、生活費・医療費・学費など子どもを育てるのに必要なお金であり、子どもの権利です。
そして、養育費の支払いは、未成熟子をもつ親が負う法律上の義務とされています。この義務は、離婚をしてもなくなりません。
そのため、養育費は「親として当然支払うべき費用」としてきちんと請求しましょう。

さらに、養育費の未払いを放置しておくと、以下のようなデメリットも生じます。

今後、養育費を支払ってもらえなくなる

養育費の未払いが起きたのが初めてであれば、「今までは支払ってくれていたから、そのうち支払ってもらえるだろう」と考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、請求しないままでいると、相手方が「何も言われないから支払わなくてもいい」と考えて今後も養育費を支払ってもらえなくなるおそれがあります。

時効により請求できなくなる

養育費の請求権には時効があるため、「あとで支払ってもらおう」と思って未払いのままにしておくと、請求できなくなってしまうおそれがあります。
時効の消滅する時期は、養育費についてどのように取り決めたかによって異なるため、くわしく見てみましょう。

話合いで取り決めた場合の時効

養育費について話合いで取り決めた場合、養育費の請求権は原則として5年で時効を迎えます。つまり、未払いが発生してから5年が経過すると、それ以上前の養育費は請求できなくなってしまうということです。
なお、公正証書を作成した場合も同様に、5年で時効となります。

家庭裁判所の調停や審判で取り決めた場合の時効

養育費について家庭裁判所の調停や審判により養育費を取り決めた場合には、養育費の請求権は10年で時効を迎えます。
ただし、いまだに発生していない将来分の養育費の時効は、調停調書などに記載していたとしても5年のままです。

未払いの養育費を請求する方法

未払いの養育費を支払ってもらうには、相手方に直接連絡して請求する方法と、裁判所を利用して請求する方法があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

相手に直接連絡する

まずは電話やメール、LINEなどで相手に直接連絡して支払ってもらうよう催促してみましょう。単なる支払い忘れであれば、すぐに振り込んでもらえる可能性があります。

未払いが何ヵ月も続いている場合や、電話やメールでの催促を無視される場合には、書面での催促を検討しましょう。
内容証明郵便を利用すれば、催促をした事実を証明できるため、相手は「養育費の催促なんてされていない」という言い逃れができなくなります。また内容証明郵便は、今後、法的手段を用いて未払いの養育費を請求する場合にも有効な証拠として使えます。

家庭裁判所の手続を利用する

電話やメール、書面などで相手に直接連絡しても支払ってもらえない場合、家庭裁判所の手続である「養育費請求調停」や「履行勧告・履行命令」の申立てを検討しましょう。

養育費請求調停

離婚の際、養育費の支払いについて公正証書を作成しなかった場合には、養育費請求調停を申し立てましょう。調停が成立すれば、強制的に未払い分の養育費を支払ってもらえる可能性があります。

また、合意内容が調停調書として書面に残るため、今後また未払いが起こってもスムーズに養育費を求できます。

履行勧告・履行命令

離婚の際、調停・審判・判決などで養育費の取決めをしていた場合には、裁判所から「履行勧告」、「履行命令」を発してもらうことができます。

履行勧告は、家庭裁判所から相手方に対して、養育費を支払う約束を守るように伝えてもらう制度です。
履行命令は、家庭裁判所から相手方に対して、養育費を支払う約束を守るように「命令」してもらう制度で、正当な理由なく従わない場合は、10万円以下の過料に処せられます。

履行勧告・履行命令には、いずれも強制力はありません。しかし、家庭裁判所から督促されたり、従わなければ過料の支払いが命じられたりするため、相手方が養育費の支払いに応じるようになるケースもあります。

特に履行勧告は、費用がかからず口頭での申立ても受け付けてもらえる簡単な手続のため、「強制執行」の手続をとる前に利用してみるとよいでしょう。

強制執行の手続をとる

直接催促したり、家庭裁判所の手続を利用したりしても養育費を支払ってもらえない場合、地方裁判所に「強制執行」を申し立てることを検討しましょう。

強制執行は、相手方の財産(給与など)を差し押さえて強制的に養育費を確保する制度です。離婚の際に強制執行力のある書面(公正証書・調停調書・審判書など)を作成している場合に利用できます。

養育費の強制執行では、未払い分だけでなく将来分の養育費についても、相手方の給与債権などを継続的に差し押さえることが可能です。一度手続を行えば、将来の養育費の未払いも防ぐことができるため、「今までに何度も養育費が未払いになったことがある」という場合にも有効といえます。

再び養育費の未払いが起こらないようにするためには?

養育費の未払いは、一度だけではなく何度も起こるおそれがあります。
そこで、養育費の未払いの再発を防ぐために、以下の方法も検討しましょう。

  • 公正証書や調停調書などの債務名義(強制執行によって実現されることが予定される請求権の存在、範囲、債権者、債務者を表示した公の文書)を作成しておく
  • 強制執行の際に支払期日が到来していない将来の養育費についても、相手方の給与などを差し押さえておく

ただし、状況によってどのような方法をとるべきか異なります。そのため、弁護士に相談し、具体的な事情に応じた適切なアドバイスをもらうことをおすすめします。

養育費の未払いでお悩みなら弁護士に相談しましょう

このように、未払いの養育費を支払ってもらうためにはさまざまな方法があります。
しかし、なかには「相手方に直接連絡をしたくない」という方もいらっしゃるかもしれません。また、裁判所を通した手続は煩雑なため、ご自身で対応するのは大変です。

そのため、養育費の未払いでお悩みであれば、弁護士に相談するのがよいでしょう。

弁護士に相談するメリット

弁護士に相談すれば、相手方への連絡や交渉、書面の作成、裁判所の手続などを代わりに行ってもらえます。そのため、「相手方に直接連絡をしたくない」、「手続のやり方がわからない」という方でも安心です。

さらに、以下のようなメリットもあります。

  • 時間的・精神的な負担が軽減される
  • 相手方が催促を無視できなくなり、養育費を支払ってもらえる可能性が高まる
  • あなたに有利な条件で養育費の取決めができる

未払い養育費に関する問題をスムーズに解決するためにも、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

まとめ

養育費は子どもを育てるためになくてはならないお金であり、養育費の支払いは親の義務です。
養育費を支払ってもらう約束をしたにもかかわらず未払いとなっている場合には、放置せずにきちんと養育費を請求しましょう。

「相手方に直接連絡をしたくない」、「手続のやり方がわからない」という場合は、弁護士に相談するのがおすすめです。
弁護士であれば、あなたの代わりに相手方への連絡や交渉、裁判所の手続などを行うことができます。

アディーレでは、未払いの養育費に関するご相談を承っております。「養育費を支払ってくれない」とお悩みなら、まずは一度ご相談ください。

監修者情報

林 頼信

弁護士

林 頼信

はやし よりのぶ

資格
弁護士
所属
東京弁護士会
出身大学
慶應義塾大学法学部

どのようなことに関しても,最初の一歩を踏み出すには,すこし勇気が要ります。それが法律問題であれば,なおさらです。また,法律事務所や弁護士というと,何となく近寄りがたいと感じる方も少なくないと思います。私も,弁護士になる前はそうでした。しかし,法律事務所とかかわりをもつこと,弁護士に相談することに対して,身構える必要はまったくありません。緊張や遠慮もなさらないでくださいね。「こんなことを聞いたら恥ずかしいんじゃないか」などと心配することもありません。等身大のご自分のままで大丈夫です。私も気取らずに,皆さまの問題の解決に向けて,精一杯取り組みます。

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