離婚用語集

は行 | 離婚用語集

は行の用語

破綻主義 [はたんしゅぎ]

破綻主義とは、客観的に夫婦関係そのものが破綻していると認められるような場合に、当事者の責任の有無を問わず、当事者の離婚請求を認めるという考え方です。

伝統的には相手に不貞行為などの責任がある場合にのみ離婚を認める考え方(「有責主義」といわれています)が主流でした。しかし、昭和62年に、最高裁が、一定の条件の下でいわゆる有責配偶者からの離婚請求を認めたのです。この判例は、一定の条件の下で破綻主義を認めたものと考えられています。

一定の条件とは、

  1. 未成熟の子がいない
  2. 別居期間が同居期間と比べ長いこと
  3. 相手方配偶者が、離婚により極めて過酷な状況に置かれるような事情がないこと
となっています。したがって、これらの条件を満たす場合には、破綻主義の考え方により、相手方配偶者に責任がない場合や責任がある有責配偶者から離婚請求がなされた場合でも、離婚が認められる可能性があるといえます。

非嫡出子 [ひちゃくしゅつし]

非嫡出子とは、法律上の婚姻関係がない男女の間に生まれた子どものことをいいます。上記の要件を満たさない場合であっても、離婚などで婚姻関係が解消された日から300日以内に産まれた子どもは法律により嫡出子と推定されるので、原則として非嫡出子ではないことになります。

非嫡出子は父親に認知されない限り、法律的に父親との親子関係が認められないため、父親を相続する こと等ができません。

夫婦関係円満調整の調停 [ふうふかんけいえんまんちょうせいのちょうてい]

夫婦関係調整調停の一種であり、夫婦が円満な関係でなくなった場合に、円満な夫婦関係を回復するための話し合いをするための調停をいいます。

調停手続では、原則として男女各1名の調停委員が当事者双方から事情を聞き、夫婦が円満な関係でなくなった原因はどこにあるのか、どうすれば夫婦関係が改善していくか等、解決案を提示したり、解決のためのアドバイスをするかたちで進められます。

なお、この調停手続は離婚した方がよいかどうか迷っている場合にも、利用することができます。

夫婦関係調整調停申立書 [ふうふかんけいちょうせいちょうていもうしたてしょ]

離婚について当事者間で話し合いがまとまらない場合や話し合いができない場合には、家庭裁判所の調停手続を利用することができます。この場合に利用すべき調停手続は、夫婦関係調整調停です。

夫婦関係調整調停を利用する場合は、夫婦関係調整調停申立書を、原則として相手方の住所地の家庭裁判所に提出することになります。夫婦関係調整調停申立書には、申立人と相手方の氏名・住所・連絡先・勤務先、離婚を考えるに至った背景事情等を記載し、1200円分の収入印紙を貼付します。

また、申立書には、離婚そのもの以外に、親権者、養育費財産分与、子どもとの面会交流権年金分割慰謝料等についてどうしたいのかを記載する欄があります。その欄に記載すれば、離婚に付随するこれらの問題も、調停の中で一緒に話し合うことができます。

夫婦間契約の取消 [ふうふかんけいやくのとりけし]

日本では、夫婦の間で婚姻中になされた契約は、いつでも夫婦の一方から取り消すことができるとされています(民法754条)。これは「法は家庭に入らず」という格言に示されるように、夫婦のことは夫婦の中で決めるべきであり、法律や裁判所が立ち入るべきではないという考え方に基づいています。

なお、このルールはすでに夫婦関係が破綻している夫婦の間での契約には適用されないとされています。

夫婦同氏の原則 [ふうふどうしのげんそく]

婚姻をした後の夫婦は、同じ氏(姓)を名乗らなければならないとする原則のことです。日本では夫婦同氏の原則がとられていますが(民法750条)、外国では夫婦別姓を採用している国も多くあります。

現在、夫婦が必ずしも同氏でなければならない合理的な理由がないとして、夫婦別姓が議論されており、今後、夫婦別姓の制度が導入される可能性もありえます。

夫婦別産制 [ふうふべっさんせい]

夫婦の一方が結婚前から所有している財産および結婚期間中に自己の名で得た財産は、その夫婦の一方が単独で有する財産であることをいいます。つまり、法律上結婚によって財産関係が特別に扱われることにはならず、原則として「自分の物は自分の物」であるということです。

もっとも、これでは、専業主婦(主夫)である一方配偶者や、収入は低いものの家事育児を全般的に担当している一方配偶者に、実質的な不平等を強いることになります。そこで、名義いかんに関わらず、夫婦の内部的な関係においては実質的には共有財産であるという考え方があります。もっとも、この考え方は、各自が持分を有していて、いつでも共有物分割を求めることができることを前提にしているのではなく、離婚等の際に、財産分与等の仕組みを通じて、その持分に応じて財産の帰属が認められるべきだという考え方のようです。

夫婦別姓 [ふうふべっせい]

夫婦が婚姻した後も、それぞれ別々の姓を名乗ることを認める制度のことです。日本では夫婦同氏の原則がとられています。これは戸主制度などの歴史的背景によるとされていますが、夫婦が必ずしも同氏でなければならない合理的な理由はないとして、現在、夫婦別姓の是非が議論されています。

平成27年12月16日、最高裁は夫婦同姓について憲法に違反しないという判断をしました。しかし、最高裁の中でも、違憲だと考えている裁判官もおり、夫婦別姓制度に関する議論はまだまだ続きそうです。

復氏 [ふくし]

婚姻によって氏(姓)を変更した夫婦の一方が、離婚後に婚姻前の氏に戻ることをいいます。離婚した場合は復氏することが原則ですが、離婚後も引き続き婚姻中の氏を使いたい場合には、離婚から3ヵ月以内に市町村へ届け出をすることで、その後も婚姻中の氏を名乗ることができます。

なお、離婚ではなく、死別により婚姻が解消された場合は反対に、役所に届け出を行うことによって復氏することができます。

不受理申出制度 [ふじゅりもうしでせいど]

夫婦の一方が、あらかじめ自分の離婚届が出されてしまった場合でも、自分が出頭して届け出たことを確認するまで、その離婚届を受理しないように市区町村に申し出を行っておくことをいいます。

これによって、夫婦の一方に離婚届を勝手に出されても、市区町村は離婚を受理することができず、本人が知らないところで離婚が成立してしまうことを防ぐことができます。

不貞行為 [ふていこうい]

不貞行為とは、配偶者のある者が自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係を持つことをいいます。いわゆる「浮気」なのですが、食事に行ったり、キスをする程度では「不貞行為」とは認められません。原則として肉体関係の有無により、不貞行為の有無が判断されます。但し、キスであっても「不法行為」として慰謝料を請求できることもあります。

夫婦の一方と不貞行為を結んだ場合、不貞行為を結んだ2人は、他方の配偶者に対して、共同で不法行為責任を負うことになります。したがって、他方の配偶者は、不貞行為をした配偶者にもその浮気相手にも慰謝料を請求することができます。

また、不貞行為は法律上の離婚原因ですので、不貞行為があれば裁判で離婚が認められる可能性があります。しかし、裁判所が他の事情等も考慮した結果、婚姻を継続させるほうがいいと判断した場合には、不貞行為があっても離婚が認められない可能性があります。したがって、出来心で一度だけ肉体関係を持ってしまったというレベルでは、離婚が認められない可能性があるのです。

扶養義務違反 [ふようぎむいはん]

親子等の直系親族間及び兄弟姉妹間には、扶養義務があります。扶養義務には、「生活保持義務」と「生活扶助義務」があります。

「生活保持義務」は、自分の生活を保持するのと同程度の生活を被扶養者にも保持させる義務であり、たとえば、お茶碗一杯分のご飯しかないときでも、半分を分け与えなければならないような義務です。夫婦間の扶養義務および親の子どもに対する扶養義務は、「生活保持義務」とされています。他方で、「生活扶助義務」は、自分の生活を犠牲にしない限度で被扶養者の最低限度の生活扶助を行う義務です。

婚姻費用分担義務・養育費支払義務は、扶養義務に基づくものであり、家庭裁判所の婚姻費用算定表・養育費算定表には、「生活保持義務」の考え方が反映されています。夫婦間・親子間で扶養義務違反がある場合、すなわち婚姻費用の分担義務違反・扶養義務支払い義務違反がある場合、家庭裁判所に対して、調停・審判を申し立てることができます。調停が成立ないし審判が出されたにもかかわらず支払いがない場合には、調停調書・審判書に基づいて給料等を差し押さえることができます。通常は給料等の4分の1までしか差押えが認められていませんが、扶養義務違反に基づく差し押さえの場合は、2分の1まで差し押さえることができます。また、過去に養育費・婚姻費用の支払い義務を怠った場合は、将来に支払われるべき養育費・婚姻費用についても差し押さえることができます。

扶養的慰謝料 [ふようてきいしゃりょう]

扶養的慰謝料とは、扶養的財産分与と同様の意味です。

扶養的財産分与 [ふようてきざいさんぶんよ]

離婚によって一方配偶者の離婚後の生活が困難になる場合に、離婚後の扶養という観点から決められる財産分与のことです。扶養的慰謝料ともいいます。たとえば、婚姻によって専業主婦(主夫)となったためキャリアを形成できなかった場合や、病気や育児等で就業できない場合に、扶養的財産分与が認められます。もっとも、扶養的財産分与は、清算的財産分与や慰謝料を受領しても離婚後の生活が困難になる場合に、補充的に認められるものです。

具体的金額は、公的扶助や親族からの扶養なども考慮し、扶養的財産分与を主張する者が生計を維持できる程度の金額となり、自活するまでの期間(たとえば専業主婦(主夫)が再就職して自活するまでの期間として1~3年など)を考慮して決定されます。また、相手方に資産が乏しい場合は、一括払いでなく定期払いとなります。

別居 [べっきょ]

別居とは、夫婦や親子などの家族が本来ならば共に暮らすべきであるという状況なのに、別々に暮らしていることをいいます。

離婚訴訟において離婚が認められるためには、婚姻関係が破綻していることが必要ですが、その判断において別居の有無・長短は重要な要素となります。もっとも、離婚したいからといって、別居を断行することは、夫婦の同居義務に反することになり、離婚訴訟においてむしろ不利に働くことがありえます。他方で、配偶者の暴力や冷却期間のために別居することは、正当な理由のある別居ですから、不利に働くことはありません。

また、離婚訴訟では、有責配偶者からの離婚請求は原則として認められませんが、別居期間が夫婦の年齢および同居期間との対比において相当長期に及んでいる場合は、子どもの年齢・健康状態、相手方配偶者の状況も考慮の上、離婚が認められる場合があります。

どれほどの長期にわたり別居した場合に有責配偶者からの離婚請求が認められるかは、一概にはいえませんが、参考までに、同居期間17年・別居期間22年、同居期間23年・別居期間8年、同居期間17年2ヵ月・別居期間9年8ヵ月、同居期間15年・別居期間13年11ヵ月という場合に、離婚が認められた事案があります。

もっとも、同居期間10年・別居期間11年の場合に離婚が認められなかった事案もあり、別居期間の長短のみで離婚の可否が判断されるわけではありません。

法定財産制 [ほうていざいさんせい]

民法の規定によって、夫婦の財産の帰属、婚姻費用の分担等が決定される制度です。法定財産制は、結婚前に夫婦の財産の帰属、婚姻費用の分担等につき夫婦間で契約(契約財産制)しなかった場合に適用される制度です。契約財産制は、通常、資産家が婚姻する際に用いられますが、日本の習慣になじまない等の理由で、実際にはほとんど利用されておらず、ほんとうの夫婦の財産関係には法定財産制が適用されています。

法定財産制として、民法は、婚姻費用の分担、日常家事に関する債務の連帯責任、夫婦間における財産の帰属を規定しています。詳しくは、財産分与、婚姻費用をご覧ください。

法定離婚原因 [ほうていりこんげんいん]

協議離婚調停離婚とは異なり、離婚訴訟において、離婚が認められるためには、民法が定める離婚原因が必要となります。これを法定離婚原因といいます。

法定離婚原因には5つのタイプがあり、それぞれ、(1)不貞行為、(2)悪意の遺棄、(3)3年以上の生死不明、(4)回復困難な強度の精神病、(5)婚姻を継続しがたい重大な事由です。

離婚訴訟においては、これら法定離婚原因の存在を立証する必要があり、あらかじめ証拠を収集しておくことが重要になってきます。たとえば、不貞行為を立証する場合は、配偶者の一方が他の異性とホテルに入店、一定時間経過後に退店するなどの状況を撮影した写真や、DVによる婚姻破綻を立証する場合は、DVにより負傷した際の診断書、荒らされた室内の写真等が重要な証拠となります。

保護命令 [ほごめいれい]

配偶者から暴行・脅迫を受けており、配偶者からの暴行により生命・身体に危害を受けるおそれが大きいとき、DV防止法に基づき、被害者は裁判所に対して保護命令を申し立てることができます。

保護命令には5種類あり、(1)被害者本人への接近を禁止する命令、(2)被害者への電話等を禁止する命令、(3)被害者の同居の子への接近を禁止する命令、(4)被害者の親族等への接近を禁止する命令、(5)被害者と加害者が同居している場合に、加害者をその住居から退去させる命令、があります。
保護命令は、原則として加害者である配偶者の住所地の裁判所に申し立てますが、加害者の住所がわからないときは、申立人の住所地の裁判所に申し立てます。

保護命令は申立から10日~半月程度で出されます。保護命令が出されるためには、配偶者の暴力により生命・身体に重大な危害を加えられる可能性が高いことを証明しなければならず、その条件は大変厳しいですが、保護命令に違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられることとなっており、効果が期待できます。

母子福祉資金 [ぼしふくししきん]

母子家庭の母等が、就労や児童の就学などで資金が必要となったときに、都道府県、指定都市又は中核市から貸付けを受けられる資金(母子福祉資金貸付制度によって貸付けられる資金)のことです。母子家庭の母の経済的自立を支援するとともに、生活意欲を促進してその扶養している児童の福祉を増進することを目的としており、返済時の負担軽減のため、貸付利率については無利子とされています。借入れの目的によって、事業開始資金・事業継続資金・修学資金・就学支度資金・技能習得資金・修業資金・就職支度資金・医療介護資金・生活資金・住宅資金・転宅資金・結婚資金等の種類があり、金額や償還期限等がそれぞれ異なります。

母子福祉資金貸付制度 [ぼしふくししきんかしつけせいど]

満20歳未満の子どもを養育している母子家庭の母親等が就労や子どもの就学などで資金が必要になった時に、都道府県、指定都市または中核市から貸付を受けられる制度のことで、母子家庭の母の経済的自立を支援するとともに生活意欲を促進し、その扶養している子どもの福祉を増進することを目的としています。返済時の負担軽減のため、貸付利率については無利子とされ、償還期限は、資金の種類により3年間から20年間までとなっています。

母子福祉資金貸付金には借入れの目的によって、事業開始資金・事業継続資金・修学資金・就学支度資金・技能習得資金・修業資金・就職支度資金・医療介護資金・生活資金・住宅資金・転宅資金・結婚資金 などの種類があり、金額や償還期限などが地域によって異なるため、詳細については地域の福祉事務所にお問い合わせください。

本人出頭主義 [ほんにんしゅっとうしゅぎ]

家事調停や家事審判においては、弁護士に依頼していない場合はもちろんですが、依頼していても、本人も出頭しなければならないというルールがあり、これを本人出頭主義といいます。家事事件手続法51条2項で「手続の期日に出頭しなければならない。」と規定されています。これに反して正当な理由なく出頭しない場合には、5万円以下の過料に処せられる可能性があります。ただし、実際に過料が科されることはあまりないようです。やむを得ない事由があるときのみ、本人の代わりに代理人を出頭させる、または補佐人とともに出頭することもできますが、弁護士以外の者を代理人または補佐人にするには、家庭裁判所の許可が必要です。

これに対し、訴訟手続においては、原則として弁護士のみが裁判所に行けばよいとされています。

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