弁護士コラム

子どもがいる場合の離婚の仕方は?離婚前から離婚後までのやることを解説!

子どもがいる場合の離婚の仕方は?離婚前から離婚後までのやることを解説!
  • 公開日:2023年12月08日
  • 更新日:2023年12月08日

子どもがいる方が離婚するとき、子どもに関わる離婚条件の話し合いや離婚後の生活に向けた準備など、たくさんのやるべきことがあります。

必要なことを知らないまま離婚に踏み切ってしまい、自分や子どもが離婚後に大変な思いをしてしまうことがないよう、離婚前からしっかりと準備をしておくことが大切です。

それでは具体的に、どのような準備や手続が必要なのでしょうか。離婚前から離婚後まで、やるべきことを詳しく紹介しています。

この記事を読んでわかること

  1. 子どもがいる方が離婚前にやること
  2. 子どもがいる方が離婚後にやること
  3. 離婚後に受けられる、ひとり親への支援制度

子どもがいる方が離婚前にやること

まず、離婚前にやるべきことについて紹介します。

離婚前に大切なのは、離婚後の子どもとの生活を考え、少しでも安心して暮らせるように行動しておくことです。ご自身の離婚後の負担を減らすことにもつながるので、一つ一つしっかりと進めていきましょう。

離婚条件を決める

子どものいる方が離婚を考えるうえで、どちらが親権を持つのか、養育費はどうするのかなど、さまざまな条件を夫婦で話し合って決めていくことになります。

どういった条件を離婚前に決めておく必要があるのか、準備や手続について見ていきましょう。

親権者

子どもが未成年であれば、離婚後は夫婦のどちらか一方が親権を持つことになります。離婚届に親権者の記入が必要なため、必ず離婚前にどちらが親権者となるか決めなければなりません。夫婦の話し合いで決まらない場合は、調停や裁判で決定することになります。

親権を決めるうえで大切なのが、どちらと暮らすのが「子の福祉(利益)」となるかです。調停や裁判で決める際にも、どちらが主に養育を担ってきたのか、離婚後にどういった養育環境を用意できるか、子どもがどちらと暮らしたいと考えているのか、「子の福祉(利益)」の観点から判断されます。

親権を持ちたいと考えているのなら、自分と暮らした方が子どもは幸せであると説明できるように、しっかりと準備して話合いに臨みましょう。

詳しい親権の決め方については、以下のページを参考にしてみてください。

親権の決め方についてもっと詳しく見る

養育費

未成年の子どもを育てるうえで、養育費を負担する義務は父母どちらにも生じます。そのため親権者として子どもを養育するなら、配偶者に養育費を請求することが可能です。

養育費を話し合う際には、以下のポイントを押さえるようにしましょう。

  • 1ヵ月あたりの金額
  • 子どもが何歳になるまで支払ってもらうのか
  • 支払方法・時期のルールはどうするのか

養育費の金額を決める際には、夫婦それぞれの収入、子どもの年齢や人数に応じて算出できる「養育費算定表」もあります。裁判所が養育費を決めるうえで参考にしているものなので、活用してみてもいいでしょう。

養育費の算定方法については、以下のページを参考にしてみてください。

養育費の算定方法を確認する

面会交流の方法

離婚後は、親権者とならなかった配偶者と子どもが、交流を持つ機会を設けることも大切です。

離婚したあとも、子どもにとって夫婦のどちらも親であることは変わりません。子どもの幸せのためにも、こうした面会交流の方法について取り決めておくようにしましょう。

まず面会交流で決めておくべき内容は、「面会交流の頻度・時間」です。「月に1回」といった回数や、「毎月第二土曜日」などと具体的に決めるケースもあります。

また「その日中に子どもを帰す」、「相手の悪口を言わない」など、必要最小限のルールを決めておけば面会交流をスムーズに行いやすいです。

詳しい面会交流の決め方は、以下のページを参考にしてみてください。

面会交流の決め方についてもっと詳しく見る

財産分与

夫婦の共有財産は、離婚時に財産分与として分割します。

共有財産とは預貯金や不動産、家財道具など、婚姻期間中に夫婦で築いてきた財産です。婚姻期間中に取得した財産であれば、基本的に名義は問わず、原則として半分ずつに分けられます

しかしなかには、配偶者が「自分の財産を相手に渡したくない」と考えて、財産を隠してしまうケースがあります。そのため、離婚を切り出す前に一つ一つリストアップしておくことが大切です。

詳しい財産分与の方法については、以下のページを参考にしてみてください。

財産分与の方法についてもっと詳しく見る

慰謝料

浮気・不倫やDVなど、離婚の原因が配偶者にある場合は慰謝料を請求できる可能性があります。裁判では内容や結婚期間の長さ、精神的苦痛の程度などから判断され、100万円~300万円ほどの金額が一般的な相場です。

相手が認めない場合、慰謝料の請求には証拠が必要になります。請求を考えているのであれば、証拠を揃えたうえで、離婚を切り出すほうがいいでしょう。

慰謝料の請求方法などの詳細は、以下のページを参考にしてみてください。

慰謝料の請求方法についてもっと詳しく見る

婚姻費用

離婚前に別居を考えている場合は、離婚が成立するまでの生活費(婚姻費用)を配偶者に請求できます。別居していても、婚姻期間中はお互いに生活を支え合う義務があるためです。

養育費と同様に、婚姻費用も裁判所の定める算定表があります。

以下のページで詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてみましょう。

婚姻費用の算定表について確認する

年金分割の準備

年金分割は、婚姻期間中に納付した厚生年金の納付記録を離婚後に分割する手続です。将来、受け取れる年金が変わってくるため、離婚前に確認しておくようにしましょう。厚生年金の制度のため、婚姻期間中に国民年金のみに加入していた場合は、手続の必要はありません。

年金分割は少し複雑な手続になります。具体的な方法を知りたい方は以下のページを参考にしてみてください。

年金分割の方法についてもっと詳しく見る

離婚協議書を作成する

話合いによって決めた条件は、「離婚協議書」として残しておくようにしましょう。離婚協議書は取り決めた内容を記した契約書になります。

配偶者が約束を破る不安があるなら、公証役場に持ち込み、公正証書にすることも可能です。強制執行認諾約款付の公正証書にしておけば、養育費などが支払われなかった場合、給与や財産の差押えができます

離婚後の生活に向けて準備する

離婚条件の取決めと並行して、離婚後の生活の準備をしておくことも大切です。離婚前から行動しておけば、できるだけスムーズに子どもとの新生活をはじめられます。

住居を決める

離婚後に現在の住まいを出ていく必要がある方は、事前に住居について考えておくようにしましょう。

子どもとの生活を考え、どういった場所で、どれくらいの広さが必要なのか、家賃はどのくらい出せるのか、早めに決めておくのがおすすめです。

自治体によっては、ひとり親家庭が公営住宅に優先的に入居できたり、補助金を受けられたりすることもあるため、住まいについて役所で相談してみてもいいでしょう。離婚を機に、実家に戻るのも一つの選択肢になります。

住居選びに失敗してしまうと、新生活で忙しいなかで再度引っ越すことになり大変です。時間に余裕を持って、離婚後の生活をイメージしておきましょう。

幼稚園・保育園について調べる

住居を決める際に併せて考えておきたいのが、子どもの幼稚園・保育園をどうするかです。専業主婦で新たに働きはじめる場合は、誰かに預けたい方も多いでしょう。

公立の保育園を、ひとり親は優先的に利用できる場合もあるので、事前に調べておくのがおすすめです。

仕事を探す

現在、専業主婦やパートで働いている方は、事前に仕事を探しておいたほうが離婚後の生活をスムーズにはじめられます

特に離婚後に一人で子どもを育てながら、条件のよい仕事を見つけるのは簡単ではありません。特に新生活にはさまざまなお金が必要です。まとまった収入を得られるよう、離婚前から備えておけば、経済的な不安も減らせます。

子どもがいる方が離婚後にやること

無事に離婚が成立したあとにも、さまざまな手続が必要になります。子どもがいる場合、どんなことをやるべきなのか、一つずつ紹介します。

住民票の異動・世帯主の変更

離婚で引っ越しをする場合は、住民票の異動が必要です。引っ越し先で子どもと暮らす際は、子どもの分も併せて手続しましょう

反対に世帯主である元配偶者が家を出ていき、そのまま残る場合は世帯主をご自身に変更するようにしてください。

子どもの戸籍・姓の変更

離婚届の提出で夫婦の戸籍は分かれますが、子どもは婚姻当時の姓・戸籍のままです。子どもの戸籍・姓を変更する場合は、手続をしなければなりません

手続の手順は次のとおりです。

  1. 家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立てる
  2. 許可証を受け取る
  3. 住民票がある役所に、許可証と入籍届を提出する

子どもの戸籍・姓の変更について、詳細は以下のページを参考にしてみてください。

子どもの戸籍・姓の変更についてもっと詳しく見る

児童手当の受取り先の変更

児童手当は、中学卒業までの児童を養育している親を対象とした手当です。

ご自身が世帯主でなかった方は、パートナーが受取り人になっているため、ご自身が受け取れるように変更しましょう

申請は居住する市区町村の役所で行えます。

各種名義・住所の変更

ご自身と子どもの姓や住所が変わった場合は、各種名義や住所変更の手続が必要です。必要な例としては、以下のようなものがあります。

  • 金融機関の口座
  • 運転免許証
  • クレジットカード
  • 生命保険
  • 学資保険
  • パスポート
  • 印鑑登録

必要なものをリストアップしてから進めるとスムーズです。

健康保険・年金の手続

元配偶者の社会保険の被扶養者になっていた場合、離婚後は新たに健康保険や年金の加入手続が必要です。

国民健康保険は役所で加入の手続を行います。「健康保険資格喪失証明書」が必要なので、元配偶者から取得してもらっておきましょう。国民年金の加入手続は、年金事務所で行えます。

勤務先の社会保険に入れるなら、会社側で行ってもらえるため、これらの手続は必要ありません。

また子ども分の健康保険においても、変更する必要があります。国民健康保険や勤務先の健康保険に変更する手続を行いましょう。

離婚後に受けられる、ひとり親への支援制度

離婚後に一人で子どもを育てていくことに、どうしても不安を抱えてしまう方も多いと思います。

国や各自治体から、ひとり親への支援制度が用意されているので確認しておきましょう。制度や手当は自治体ごとに異なるため、離婚後に住む自治体の役所に聞いてみるのもおすすめです。

ここでは代表的なものをご紹介します。

そのほかにもさまざまな支援があるので、ぜひ以下の記事でもご確認ください。

公的支援についてもっと詳しく見る

児童扶養手当

児童扶養手当は、地方自治体から支給されるひとり親に向けた手当です。月額4万円ほどがベース(所得制限がない場合)ですが、所得や子どもの人数に応じて支給額は変わります。

詳しくは各自治体のホームページで確認しましょう。

ひとり親家庭に対する医療費補助制度

「ひとり親家庭に対する医療費補助制度」は、ひとり親家庭を対象に、医療費の自己負担分を一部補助する制度です。

所得制限などの内容が異なるので、各自治体のホームページで確認しましょう。

ひとり親家庭への住宅手当

ひとり親家庭に対し、家賃の一部を補助する制度を設けている自治体もあります。

条件もそれぞれで、行っていない自治体も多いので、住まいの自治体に確認してみましょう。

児童育成手当

各自治体が独自の支援制度を実施していますが、東京都では「児童育成手当」を設けています。ひとり親家庭などを対象に、児童一人につき、月額13,500円を支給します。

ご自身の自治体ではどういった支援が受けられるのか、ぜひ調べてみてください。

まとめ

離婚前から離婚後まで、子どもがいる方がやるべきことをご紹介しました。

子どもを連れての離婚時には、たくさんのやるべきことがあり、離婚条件の話合いなど大きな負担もかかります。もしご自身の手に負えないことがあれば、弁護士に相談するのもおすすめです。

アディーレ法律事務所では、配偶者との離婚条件の交渉や協議書などの書面作成など、これからの明るい子どもとの生活に向けたさまざまなサポートを行っています。ぜひ一人で悩まず、お気軽にご相談ください。

監修者情報

林 頼信

弁護士

林 頼信

はやし よりのぶ

資格
弁護士
所属
東京弁護士会
出身大学
慶應義塾大学法学部

どのようなことに関しても,最初の一歩を踏み出すには,すこし勇気が要ります。それが法律問題であれば,なおさらです。また,法律事務所や弁護士というと,何となく近寄りがたいと感じる方も少なくないと思います。私も,弁護士になる前はそうでした。しかし,法律事務所とかかわりをもつこと,弁護士に相談することに対して,身構える必要はまったくありません。緊張や遠慮もなさらないでくださいね。「こんなことを聞いたら恥ずかしいんじゃないか」などと心配することもありません。等身大のご自分のままで大丈夫です。私も気取らずに,皆さまの問題の解決に向けて,精一杯取り組みます。

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