特集:気になる!隣の離婚事情

第5回「子育ての費用は○円!しかし一方で不払いトラブルも…養育費の現実!」

離婚は妻と夫が互いの意思で決めるもの。とはいえ、自分たちのことだけを考えればよいというわけではありません。子どもがいる場合には、親権をどちらが取るか、離婚後に子どもとどうかかわるかなど、さまざまなことを考えなければなりません。その中でも特に重要となるのが「養育費」の問題です。

「養育費」とは、子どもが成人するまでに必要となる費用のことです。離婚しても養育費の支払義務(扶養義務)はなくなりませんので、妻であるか夫であるかにかかわらず、子どもを引き取った側に対して、もういっぽうの側から支払われることとなります。子どもを育てるために欠かすことのできない養育費ですが、約束通り支払われないなど、実はトラブルとなっているケースも多いのが現状です。とはいえ、子どもの将来のために養育費はきちんと受け取りたいもの。

「気になる!隣の離婚事情」第5回では、そんな「養育費」についてのぞいてみましょう。

養育費は月額4万円以下が平均。

一般的に、子どもひとりを成人まで育てるために必要な費用は、生活費や大学卒業までの教育費を含めておよそ3000万円といわれています。これは、幼稚園から大学まで公立に通った場合の金額で、私立の学校に通わせるなど、それ以上の費用が必要となることも十分あり得ます。それを離婚後の夫や妻がひとりでまかなうのは大変なことです。そのため、養育費の支払が必要となります。

子どもの数別養育費(1世帯平均月額)の状況
平成23年 1人 2人 3人 4人 総数
母子世帯 35,438円 50,331円 54,357円 96,111円 43,482円
父子世帯 28,125円 31,200円 46,667円 32,238円

(平成23年 全国母子世帯等調査より)

統計によると、母子または父子家庭に支払われた養育費は、母子家庭で月額平均約4万3000円、父子家庭では約3万2000円となっています。子どもの数によっても違いますが、母子家庭と父子家庭で平均1万円以上の開きがあります。さらに、大半のケースでは父親(夫)から母親(妻)へ支払われる形となっています。

個々の事情によって異なりますが、養育費は親の収入や子どもの人数、年齢によって一定の基準が設けられており、その基準に基づいて金額が決められるのが一般的です。日本では、結婚・出産によってキャリアが途絶えがちな女性に比べ、男性の方が所得が高く、仕事の選択肢も多いので、より多くの養育費を支払うことになっているものと考えられます。また、離婚後の子どもの親権はおよそ9割が母親のものとなっていることから、養育費の支払も父親から母親へ行われる形が大半を占めているのです。

子どもの成長につれて支払われる養育費も高額に。

 父が支払者となった場合の養育費・扶養料の月額(年齢別)

(平成25年 司法統計より)

次に、子どもの年齢ごとの養育費に関して細かく見ていきましょう。

司法統計によれば、父親が支払者となった場合、支払われる養育費の金額は全年齢で月額2万円以上~4万円以下が約35%ともっとも多く、次いで1万円以上~2万円以下が約33%となっており、養育費が4万円以下の家庭が全体の約87%となります。また、子どもが小さいほど養育費を受け取っている家庭が増えるようです。

年齢別に見てもその割合は大きくは変わりませんが、子どもが成長するにつれて養育費の金額も高くなる傾向が見られ、子どもが0~5歳までの場合、養育費が月額6万円を超えるケースは3%程度なのに対して、15歳以上の場合では10%を超えています。これは、子どもの成長に伴い、進学や習いごとなどで必要となる教育費も増加することが原因だと考えられます。

さて、養育費の金額についてはこれまでまとめた通りですが、実際にそれを受け取っている母子家庭は全体の19.7%と、実は2割にも満たないのです。父子家庭に至っては4.1%に過ぎません。離婚する際に養育費の取り決めをしていないケースも多く、母子家庭の場合はさらに「相手とかかわりたくない」という精神的な理由から養育費の受け取りを諦めているケースもあり、離婚後も父親と母親が協力して子育てをしていくことの難しさが垣間見えます。

さらに、養育費に関してはあるトラブルが増えています。それは、「養育費の不払い」です。近年の景気悪化が原因で、養育費を負担する元夫が給料を減らされたり、リストラに遭うなどして、養育費が支払われなくなるケースが増加してきているのです。厚生労働省が設置した「養育費相談支援センター」に寄せられた相談件数は、2007年から2011年までの4年間でおよそ2倍に増えたといいます。

養育費不払いを防ぐには…

養育費は子どもの成長にとって欠かせない大切なお金です。不景気とはいえ、一度養育費を支払う約束をしたのなら、きちんと払ってもらいたいと誰もが思うはずです。

離婚後の養育費不払いを防ぐためには、その支払いに関してまず「離婚協議書」を作成するのがよいでしょう。養育費に限らず、離婚を行う際に決めた条件が守られずにトラブルとなるケースは少なくありません。離婚協議書は、もしも裁判になった場合の有力な証拠になります。

しかし、離婚協議書を作成したからといって、必ず養育費が支払われるとは限りません。離婚協議書には法的な強制力がなく、養育費が支払われなかった場合の対応方法は限られてしまいます。そこで、より有効なのが、離婚協議書の内容を「公正証書」(正式には「離婚給付契約公正証書」)として残すことです。

公正証書はそれ単体で法的な強制力を持ちます。そのため、必要な項目を盛り込んでおけば、もし養育費の支払が滞った場合に支払者の財産(給与・預貯金・家財道具など)を強制的に差し押さえて回収することができるのです。

子どもの将来のためにも、夫婦でよく協議して条件を決め、離婚に詳しい弁護士に相談し、公正証書の作成を依頼することをおすすめします。

浮気・不倫の慰謝料のことなら
ご相談無料・全国対応
浮気・不倫の慰謝料に関するご相談は何度でも無料!
  • 費用倒れの不安を解消!「損はさせない保証」あり
  • ご相談・ご依頼は、全国対応
  • ※夫婦間など当事者同士でまだトラブルになっていない場合は、ご相談をお受けしておりません。
  • ※現在、不貞行為の慰謝料に関するご相談のみお受けしており、離婚、養育費、財産分与などのご相談の予約を、一時見合わせております。再開の際はWebサイトでお知らせいたします。