離婚問題の知識と法律

健康保険や医療保険など

離婚すると、夫の被扶養家族ではなくなるため夫の保険は使えない。そうはいっても、手続がよくわからない…。そんな方も多いのではないでしょうか。そのため、離婚の際の保険の手続もしっかり覚えておきましょう。

離婚と公的医療保険

公的医療保険とその種類

公的医療保険(以下「医療保険」といいます。)とは、社会保険制度のひとつとして、病気や怪我、入院などの際に一定の割合でかかった医療費等を保障してくれる保険制度のことです。

日本では、アメリカなどの外国とは異なり、すべての国民がこの医療保険に加入することになっています(国民皆保険制度)。医療保険は加入者の種類により区分されますが、公務員以外の多くの人が「健康保険」か「国民健康保険」のいずれかに加入することになります。

健康保険とは、主にサラリーマンの方たちが加入する保険をいいます。国民健康保険とは、主に自営業の方や農業従事者、職に就いていない方たちが加入する保険をいいます。

離婚と医療保険

専業主婦の方の場合、婚姻中は夫の健康保険や、夫を世帯主とする国民健康保険に加入し、利用している場合が多いと思います。しかし、この医療保険は離婚後も引き続き利用できるのかというと、そうではありません。

離婚後は、夫の医療保険の保険資格を喪失することになります。そのため、その保険から脱退し、新たな医療保険への加入手続をすることが必要となります。離婚の際に、ご自身がどのような医療保険に加入していたか、離婚後どのような医療保険に加入するかによって、その後の脱退・加入手続が異なりますので、それぞれの場合に分けて説明していきたいと思います。

(1)国民健康保険 → 健康保険
夫を世帯主とする国民健康保険に加入していた場合で、新たに健康保険へ加入する場合(離婚後すぐに就職する方)は、勤務先を通じて手続をすることになります。
(2)健康保険 → 新たな健康保険
夫の被扶養家族として健康保険に加入していた場合で、新たに健康保険に加入する場合(離婚後すぐ就職する方)も、勤務先を通じて健康保険加入の手続をとります。
(3)国民健康保険 → 新たな国民健康保険
夫を世帯主とする国民健康保険に加入していた場合で、新たに国民健康保険に加入する場合(離婚後すぐに就職しない方)は、市区町村役場に転入届・転出届を提出すれば、夫の世帯から脱退して新たな国民健康保険に加入できます。その場合、役所に対し、自身を世帯主とする国民健康保険の加入手続をとります。
(4)健康保険 → 国民健康保険
夫の被扶養家族として健康保険に加入していた場合で、新たに国民健康保険に加入する場合(離婚後すぐに就職しない方)は、まず、夫から会社を通じて、健康保険の被扶養者ではなくなったことを証する資格喪失証明書を取得してもらいます。つぎに、役所に対して、自身を世帯主とする国民健康保険加入手続をとります。この際に、上記資格喪失証明書が必要となります。

子どもの医療保険

新たに自身が加入する医療保険に子どもを一緒に加入させる場合には、子どもについても新保険への加入手続が必要となります。

子どもを国民健康保険に加入させるのであれば役所で、または、健康保険に加入させるのであれば勤務先での手続が必要です。なお、従前の保険が健康保険であった場合で、新たに国民健康保険へ加入させるためには、自身の場合と同じく子どもの資格喪失証明書が必要になります。

ところで、健康保険の場合、子どもは離婚によって従前の保険資格を喪失しません。特に手続を何もしていなければ、元夫の医療保険(健康保険の場合)をそのまま利用することができます。ただし、保険証を通院のたびに元夫から取り寄せなければならない可能性があるため、注意が必要です。国民健康保険の場合で、子どもを自分自身が引き取る際には、夫と子どもは別世帯となり、従前の保険が利用できなくなりますのでご注意ください。

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